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ヨモギは本州をはじめ四国、九州などの山野で普通に見かける多年草です。春先の若葉は草餅に搗き込むことでよく知られ、非常に身近な薬草として古くから親しまれてきた。
ヨモギには、老化防止にもつながる生体内過酸化脂質抑制作用があるとする研究も発表されています。その作用機構はラジカル基の消去作用でSOD活性と同様の作用を有し、その作用成分の本体は、コーヒー豆などに含まれているカフィータンニン類であることが明らかにされています。また、ガンに効果的だという研究報告もあります。それによればヨモギの中にインターフェロン・インデューサー(インターフェロンを増やす物質)を発見しマウスで実験したところ、ガンが減少していくのが認められたという。
またヨモギ中のカフィータンニン類には人白血球でのアレルギー物質ロイコトリエン類の生成を抑制することも明らかにされています。健康食品として評価が高いプロポリスにもヨモギと同様の成分が単離されているが、これはヨモギ類がアレルギー性疾患に有効である可能性を示すもので、最近はヨモギエキス含有の石鹸やシャンプーなども市販されていることも興味深い。
ヨモギの葉にはシネオールなどの精油のほか、酵素、多糖類、ビタミン・ミネラル類の含有量も多く、特にカロチンが100g中の3,600μgもあってほうれん草の100g中3100μgを凌ぐ。春先のシーズンには是非積極的に摂取したいものであるが、最近は健康食品として青汁タイプやお茶タイプのものも出ている。通常食品ではヨモギ麩、ヨモギパンなどの形で用いられている。また韓国では肝機能改善作用がある「サザバル・ヨモギ」を熟成させた健康食品があります。
葉の白い綿毛は「モグサ」としてお急に使われるが、その煙には強い殺菌作用が認められています。モグサの原料は日本では「オオヨモギ」、中国では「チョウセンヨモギ」を使うのが通例です。