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ゆずはミカン科の常緑小高木の果実で、中国長江上流地域が原産です。代表的な調味用柑橘類で、同類にはスダチやカボスがあります。ミカン属の中では最も寒さに強く、東北地方まで栽培されています。また、温州ミカンなどの台木にも利用されます。初夏に白い小花をつけ、秋に黄色い実を結ぶが、果実は球形で表面がデコボコして粗い。肌目の粗いことをゆず肌というのもこれに基づいています。
果肉は多汁で酸味が強いが、爽やかな香りは秋を象徴する匂いとして日本人には古くから親しまれ、菓子等にも利用されています。香りが食欲を増進させる上に、ほろ苦みのある皮には豊富な栄養素が含まれているので果皮を生かした料理が工夫されています。
柑橘類の中では飛び抜けて多いビタミンCは夏で疲れた肌を蘇らせ、カゼの予防になります。また、カゼ気味の時には皮をおろして絞り汁と一緒にハチミツとお湯を加えて飲むと効果的です。その他。ビタミンA、カリウム、カルシウムなどの栄養素もまんべんなく備えた果実です。
冬至の季節に入るユズ湯は、香りが気分を爽快にし、精油成分ピネンやシトラールが皮膚を刺激して血行をよくし、温熱効果があるので、冷え性、リウマチ、神経症に有効です。ユズの皮にはビタミンCのみならずビタミンPも含まれているので、毛細血管の循環をよくし、絞り汁を刷り込むとひび、アカギレにも効き目があります。また焼酎と氷砂糖で漬け込んだユズ酒は、疲労回復、貧血、低血圧症に効くとされています。