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八つ目うなぎの目は二つしかないが後ろにエラ穴が7つ並んでいて、一見すると8つも目があるように見えるのでこの名がついたようだが、うなぎとは違ヤツメウナギ科に属します。夏バテを防ぐスタミナ食としてよく知られているうなぎ以上に、八つ目うなぎは強力なスタミナ食、また夜盲症などの眼病に効く食品として古来珍重されており、食用というより薬用としての評価が高い。
その栄養的特長は、生のものでも100g中のビタミンAが8200μgと、まさにうなぎの3.5倍も含まれています。さらにタンパク質も15,5g、脂肪21.8gと良質なものが豊富です。その他、鉄2mg、ナイアシン3mg、皮の部分にはビタミンB1が多く含有されています。
こうした栄養素の中で、特に有効性が認められているのはビタミンAです。ビタミンAの効用として、最初に知られているのが夜盲症の治療効果であるが、ビタミンAは夜盲症に限らず、目の網膜や粘膜が乾燥するのを防ぐ働きがあり、うるおいのある生き生きした目を保つ効果があります。
近年の研究では、ビタミンAがガンの予防治療に非常に効果を発揮するものとして報告され、注目を集めています。その効用として、動物実験では発ガンまでのがん細胞の成長記録(プロモーション期)を長引かせる抑制効果が認められています。また、国立がんセンターが行った疫学的な研究報告によると、ビタミンAを多く摂っている地方の人には子宮ガンが少ないという調査結果が出ています。例えばビタミンAを一日1,800IU〜2,000IUも摂っている東北・北陸・関東では子宮ガン患者は少なく、一日1,200IUの九州・四国地方には患者が多かった。
ビタミンAは、ガンの予防のほかにも、上皮細胞(体の表面や内腔にある皮膚や粘膜など)を形成する栄養成分であると共に、体の各機能を調整して抵抗力をつけるという重要な作用もあります。つまりがん予防を含めて、皮膚や粘膜の健康の為にビタミンAは必要な栄養なのである。
ビタミンAの所要量は成人1日当たり男性が600μg、女性が540μgなので、干した八つ目うなぎであれば1日に10gを食べれば、十分に満たせることになります。最近の野菜はビタミン類の含有量が減少しているので、八つ目うなぎは実に貴重な栄養源である。スタミナ増強だけでなく、日常の健康増進に役立つ健康食品として、是非常用したいものの一つです。