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木になるイチゴを総称してキイチゴというが、ラズベリーはキイチゴの一種でバラ科の落葉低木です。原産地はヨーロッパと北アメリカですが、西アジアでも野生種が見られます。果実は2〜3gで甘味が強く、果皮の色(赤、黒、紫)により品種が分類されます。
ビタミンC、葉酸が多く含まれるほか、ケルセチン、ルテイン、ミリセチン、エラグ酸、タンニン酸といったファイトケミカル類も豊富です。
伝統的な中国医学では、ラズベリーの利尿作用が古くから知られています。また、ラズベリーの未熟果は、女性の生理器官に対しエストロゲン様の効果を与えると考えられており、月経周期の乱れの改善や、分娩時の体力増強にも効果があるといわれています。
欧米の薬草療法では、ラズベリーの実は消化不良やリウマチに、果汁はのどの痛みや咳に効くとされています。
ラズベリーにはエラグ酸というファイトケミカルが含まれています。エラグ酸はゲンノショウコの葉や茎、ユーカリやヒシの成熟実などに含まれるポリフェノール性物質で、強い抗酸化作用があることで知られています。特に過酸化脂質の生成を抑え、がん細胞の増殖を抑制する働きがあります。またタンニン酸には抗ウィルス作用があるため、様々な感染症に効果があるとされています。最近、ラズベリーケトンには、脂肪細胞におけるカテコールアミンの脂肪分解を促進する作用があることがわかり、内服で肥満予防をしたり、皮膚に塗って”部分痩せ”にも用いられています。