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キクイモはイモという名前がついているが、キク科の多年草です。キクイモの由来は、菊のような花をつけ、根の先端が肥大してイモのように塊茎になることからキクイモという名前がつきました。原産地は北アメリカ北東部で、先住民が古くから食用としていました。日本には江戸末期に到来したが、食物繊維を多く含むために消化吸収が悪く、栄養価も高くないことから、食用よりも飼料として使われてきました。戦時中の一時期、食糧難の為栽培され、漬物の材料にされていたこともあるが、現代ではほとんど栽培されていません。
ところが、このキクイモに糖尿病を改善する作用があることがわかり、最近にわかに注目を集める健康機能性素材となりました。キクイモ(感想品)の食品成分をみると、糖質が約70%と非常に多く含まれています。特徴的なのは、この糖質にはジャガイモやサツマイモに含まれるデンプンがほとんど無く、大部分がイヌリンという糖質で占められていることです。イヌリンは多糖類の一つで、果糖(フルクトース)が30個ほどつながった構造をしています。キクイモのほか、ダリアの塊茎やアザミの根などに貯蔵多糖として含まれています。
デンプンは体内でブドウ糖に分解され、小腸から吸収されて血糖値に反映されるが、イヌリンは人の消化酵素では消化されず、分解されてもブドウ糖ではなく果糖になります。そのため、血糖値の上昇とは無縁であるばかりか、腸が糖質を吸収するのを抑える作用があり、血糖値の上昇を背後から抑制する働きもしています。
わが国では漬物の材料にしか使われてこなかったキクイモですが、今後は抗糖尿病食品として大いに期待される素材です。