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ワイン

ワインは”フレンチ・パラドックス”の言葉と共に、1990年頃から健康機能性が注目され始めました。その端緒となったのが、フランスの科学者セルジュ・レヌーが唱えた「フランス人は動物性脂肪を多く摂っているのに関わらず、他のヨーロッパ地域に比べ虚血性心疾患による死亡率が低いのは赤ワインを日常的に楽しむため」という説です。健康志向の高まりを見せていた日本でも90年代後半に赤ワインブームが起きています。

赤ワインには渋味成分のタンニンや色素成分のアントシアニンなど、コウ酸化作用のあるポリフェノール類が豊富に含まれています。これらの成分がLDL(低比重リポタンパク)の酸化を抑え、虚血性心疾患の原因となる動脈硬化を予防すると考えられています。国立健康・栄養研究所で、30〜50代の男性10人に1日400ml〜500mlの赤ワインを2週間飲んでもらい血液中のLDLの酸化抵抗性を調べた結果、引用前に比べ上昇していることがわかりました。また、赤ワインの含まれるほとんどのポリフェノールに抗酸化作用があることを確認しています。

ポリフェノールの含有量はワインを造るぶどうの品種によって異なります。赤ワインの中でもカルベネ・ソーヴィニヨンでつくるボルドーワインや、ネッビオーロが原料のイタリアのバローロなどが多く含んでいます。一方、白ワインは抗菌性の優れています。白ワインがサルモネラ菌、大腸菌、赤痢菌に対して抗菌作用があることがアメリカの実験で確認されています。

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