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ナトリウム

ナトリウムは人の必須ミネラルの一つで、生命維持の為に不可欠の物質です。地球上で最も多い元素は、と訊かれて、ナトリウムであるとすぐ答えられる人は少ないです。実は天然で存在する形では、海水に約3%含まれる塩がナトリウムの主成分としています。他にも各種のナトリウム塩として存在します。人体には体液中にナトリウム塩として約0.15%含まれています。

ナトリウムの働きは、@神経の刺激を感じてスムーズに伝達する、A筋肉の弾性を維持する、B消化液や分泌液にアルカリ性を加えてpHを調節する、C浸透圧や生体機能を調節する、といった大事な役目を担っています。

ナトリウムは、自然界の食べ物にはあまり含まれていません。そこで人間は海水から得た塩(食塩)や岩塩を利用してきましたが、このように何千年も前から食塩だけを取り出して使っている生き物は人間だけであり、必要以上にナトリウムを取った結果、それが体内にたまってしまうという自体が生じることになりました。

その結果として、高血圧という障害が生じたとされています。つまり、ナトリウムが血液中に増えてくるとそれを薄める為に水分を引き入れるので血液量が増加して血圧が上がる。また、ナトリウムは、末梢血管を収縮する作用を持っているため、血流を悪くしてやはり血圧を上げ、心臓に負担をかけることになります。逆に不足した場合は、体液の浸透圧が下がるので、体液の水分が細胞に移り浮腫の原因になります。

動物の体は余計なものをとりすぎると、排泄していつも適度な濃度を保つように調節する機能を備えているのですが、前述したように自然界の食べ物にはナトリウムはあまり多くはないので、不足したときに比べて、摂りすぎの場合の調節機能はもともと劣っています。こういった調節は腎臓で行われ、常に体液の食塩含有量を0.9%に保つように働いています。腎臓や他の障害でナトリウム代謝に異常が生じると、機能障害など様々な症状があらわれることになります。

他の栄養素との関係ではカリウムとのバランスが知られています。体内では、ナトリウムカリウムの割合が常に一定であるように調節されています。したがってナトリウムの摂り過ぎが原因で高血圧症に悩んでいる人は、カリウムが多く含まれている野菜や果物、海藻などをたくさん食べるようにすれば、よい結果が得られます。

ナトリウム(食塩)は摂取を制限するように指導されており、1日当たり10g未満(0.15g/体重kg)にすることが望ましいとされています。

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